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		       平田達治
		  
			  - 大阪とは何者なのか? そして大阪はいかにして大阪となりえたのか!
 難波の宮の古代からの都市づくり、時には多くの堀を開き、水の都とし、商業都市に変貌してみせた。井原西鶴や、優れた町人学者を輩出し、西洋医学を広め、独自の町人文化を創りあげた。明治以降、多くの作家たちは夜の街、食の街を舞台にしてあまたの傑作を生みだした。こうした作品を読みこんだ著者は、自らこの地を歩きつづけ、よく見、感じ、探り、都市・大阪の精神を書き上げる。
 
            
		 目次
		   
		     
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第一部 大阪の歴史と文化を訪ねて
 *上町台地に始まる大阪の歴史と文化
 
 第二部 文学作品に描かれた大阪
 *幕臣の一揆を描く、森鷗外の歴史小説『大鹽平八郞』
 *道頓堀の夜の物語、上司小剣『鱧の皮』
 *サラリーマン作家の大阪小説、水上瀧太郎『大阪の宿』
 *食の文学、織田作之助『夫婦善哉』
 *大阪女の三部作、織田作之助『女の橋』、『船場の女』、『大阪の女』
 *故郷の上町台地を舞台に、織田作之助『木の都』
 *戦争の傷痕を背負って川筋に生きる人々の物語、宮本輝『泥の河』
 
         
			 著者略歴
			 
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				   平田達治(ひらた・たつじ)
 1934年奈良県生まれ。大阪大学大学院文学研究科(独文学専攻)修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科教授を経て、1998年同大学を定年退官。大阪大学名誉教授。専門はドイツ・オーストリア文学・中欧都市文化論。
 著書:『輪舞の都ウィーン』(人文書院)、『ウィーンのカフェ』(大修館書店)、『中欧の墓たち』(同学社)、『中欧・墓標をめぐる旅』(集英社新書)、『知られざる魅惑の都市たち』(世界思想社)、『ベルリン・歴史の旅』(大阪大学出版会)、『放浪のユダヤ人作家ヨーゼフ・ロート』(鳥影社、日本オーストリア文学会賞受賞)などがある。
 編著・共著:『ナチス通りの出版社』(人文書院、出版学会賞受賞)、『ヤヌスの相貌—世紀末プラハ』(国書刊行会)、『オーストリア—夢と形象』(松本工房)、『ウィーン・他民族文化のフーガ』(大修館書店)などがある。
 訳書・共訳書:『ヨーゼフ・ロート小説集』(全四巻、鳥影社)、『果てしなき逃走』(岩波文庫)、『ラデツキー行進曲』(鳥影社)、『放浪のユダヤ人とエッセイ二篇』(鳥影社)、『東方ユダヤ人の歴史』(鳥影社)、『大都会の夜』(鳥影社)、『ウーファ物語―ある映画コンツェルンの歴史』(鳥影社、ダウテンダイ翻訳賞受賞)、『ラデツキー行進曲』(上・下巻、岩波文庫)などがある。
 
   
 
	