
価格
1980円(税込)
ページ数
198ページ
発行日
2026年2月11日
ISBN
978-4-86782-198-5
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穆時英 短編作品集
柏葉海人 訳
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1930年代の上海、迫り来る戦乱を前に、きらめく光と喧噪、目くるめく色彩に満ちた十里洋場の金字塔は、その基層にダンスホールのリズムに泡影のごとく消えいく人々を包摂して鳴り響き、天に向けて怒りと苦悶の叫びを上げていた。30年代上海の空に彗星のごとく輝いた海派文学の旗手、穆時英の代表作五編を収録する。
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金のある奴らには一元なんて端金だが、俺たちは命と引き換えだ。死ぬほど走らなくてはならない。暑い暑い熱毒の日に、客は「遅いぞ、もっと速く走れ」と怒鳴る。アスファルトの道は全部溶けて、踏み出す足の一歩一歩が、まるで煮えたぎる油を踏んでいるみたいで、心と体をしきりに痛めつける。(「上海の獅子」より)
目次
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上海のフォックストロット
玲
空閑少佐
ライラック
上海の獅子
大柏樹 柏葉海人
穆時英と上海 柏葉海人
収録作品について
著者略歴
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穆時英(ぼく・じえい)
一九一二年三月上海フランス専管租界に生まれ、一九二九年に光華大学西洋文学部に入学した当時から創作活動を開始し、翌年には文芸雑誌に最初の小説を発表している。以後、本書所収の「上海の獅子」、「ライラック」等の作品を次々に小説集として発表していく。日中戦争の勃発により、一時香港の「星島日報」の編集に従事し、一九三九年上海に復帰後は「国民新聞」編集長及び社長に就任するとともに、「中華日報」の主宰及び宣伝活動に携わる。一九四〇年六月二十八日の夕刻、退社後に路上で狙撃され、死亡した(享年二十八歳)。
中国現代文学史における都市文学の先駆者、海派文学の代表作家であり、中国「新感覚派小説の名手」と称される。
訳者略歴
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柏葉海人(かしわば かいと)
1953年神奈川県生まれ。
作家、翻訳家。
主な訳書として、
韓寒『小竜の国─亭林鎮は大騒ぎ』(鳥影社)がある。