叢書フォーゲル４
概念の脱構築をめざす作家を本格的に論じながら、言語と現代文学の問題を問う。

目次
第一章　若き批評家
　処女作の完成度
　戦後文学とハントケ
　言語というテーマ
　「経験」と「方法」
　言語が仕立てあげる人間
　反権威運動とハントケ
第二章　自我の危機
　意識が現実をつくる
　自我の危機
　言語の自動システム
　不十分な知覚
　模索と決意
弟三章　現代の物語
　ハントケ文学の転向
　『ゆっくり帰郷する』
　メタ物語─『苦しみの支那人』
　反復としての物語
　「新しい世界からのメールヒェン」

<著者紹介>
平子義雄（ひらこ・よしお）
1940年、東京で生れる。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。大阪大学言語文化部助教授、東京大学大学院総合文化研究科教授などを経て、現在、兵庫県立姫路工業大学環境人間学部教授。ドイツ現代文学、解釈学、言語理論を専攻。
著書『リルケ――変容の詩人』（共著、クヴェレ会）、『ことばの世界』（共著、大修館書店）、『文学にあらわれた現代ドイツ』（共著、三修社）