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『1都8県杉のない所を探して 体験的家の買い方売り方』小林公司 著
讀賣新聞 地域面 平成19年(2007年)11月25日

花粉症の妻にスギのない土地を 三浦移住、体験談出版 1都8県探して5年

 花粉症に悩む妻のため、スギの木のない土地を、夫婦で1都8県を5年間にわたって探し続け、三浦市宮川町の海辺に居を構えた元中学校教諭の小林公司さん(66)が、その体験談を本にまとめた。題して「1都8県杉のない所を探して 体験的家の買い方売り方」。小林さんは「スギに関する情報を満載した。どこにスギの木が多いか参考になれば」としている。

 小林さんは、県内の中学校に約30年間勤務。退職時は東京都町田市に住んでいたが、二人の子どもも独立し、2000年ごろから終の棲み処探しを始めた。妻圭子さん(66)が花粉症のため、スギ花粉のない場所を第1の条件とし、静かで家庭菜園ができる場所を第2の条件にした。
 地下の高い町田市はあきらめ、千葉県・房総半島を車で回ったが、スギの樹海にびっくりして断念。茨城、静岡、山梨、長野県などを探したが、どこも難点はスギの木の多さだった。群馬県高崎市では、冷たい北風に驚かされた。埼玉県はスギが少ないように見受けられたが、なぜか花粉症の人が多かったという。
 最後に、横須賀市や鎌倉市、湯河原町など県内を回った。他県よりスギの木が少なく、交通も便利だが、地下や住宅の密集度は減点。結局、条件に最も近かった三浦市宮川町の中古住宅(敷地約265平方㍍)に決め、昨年2月に転居した。
 三浦半島の南端で温暖のうえ、家庭菜園ができ、申し分なかったが、ひとつ誤算があった。スギ花粉が飛んでくることだ。房総半島や伊豆半島からと考えられた。小林さんは「想定外だったが、スギ花粉の圧迫感は、よそよりずっと楽。及第点です」という。
 家を購入する際の注意点、業者に対する意見なども記されている。

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