文藝・学術出版鳥影社

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書評
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『イタリア語で好き』牧野晋也 著
教育家庭新聞 平成19年(2007年)2月17日

 ある日、突然12歳のシンペイのお父さんは失業した。少しも悲しそうじゃないお父さん。その次の日、家族はイタリアに旅立った。
 ローマにヴェネチア、ミラノにフィレンツェ、数百年の歴史を受け継ぎその景観を失わない国。街中が世界遺産のような風景や歴史に、住んでいる人々の陽気で無頓着な性格にどんどん魅了されていくシンペイ。
 12歳の男の子の視線で見るイタリアは、どんな観光案内書を読むよりも新鮮でワクワクする。旅する中でシンペイの心が成長し大人になっていく様子が瑞々しく今すぐに長期休暇をとって旅立ちたくなる。

『イタリア語で好き』牧野晋也 著
神奈川新聞 読書欄 平成19年(2007年)2月11日

都市の魅力を小説仕立てで

 「バラ色の大理石って素敵」「オペラ好きにはナルシストが多い」といった会話が随所に出てくる。ローマ、フィレンツェ、ミラノなどを背景にこういう利いたセリフを聞かされると、キザがキザでなくなる。
 著者(横浜市)は企業の広報室長さん。よほどイタリアにほれ込んでいるのだろう。この国の魅力をなんとか立体的に伝えたい、それにはいっそ小説仕立てにしたら書く側だって楽しい、と思い立ったのが執筆のきっかけではないか。歴史、住民気質、人間関係、都市事情の「ひだ」に迫ろうとするのに、通常の叙述より会話のほうが効果は大きいのかもしれない。
 作中、12歳の少年「シンペイ」と若い両親との会話は高尚で知的で品がよすぎるくらい…いい。前半はややガイドブック風に傾きかけるが、後半になって13歳のイタリア少女「カティア」との淡い恋模様が進むにすれ石畳を踏む音と響き合ってフィクションとして成功した。イタリア人の性格づけが深く、ステロタイプでないのがいい。
 「シンペイ」がサッカーの試合に出してもらう場面に注目した。チームメートに対する観察が鋭い。心理を推し量るのをあえて避けたあたりに著者の「芸」の力がある。

『イタリア語で好き』牧野晋也 著
PHP ほんとうの時代 新刊案内 2007年3月号

 ローマ、フィレンツェ、ミラノ……失業中のパパとママとボクは、とびっきり素敵なイタリアの旅に出た! 風景が匂い立つ紀行小説。

『イタリア語で好き』牧野晋也 著
ザ・ファミリー 平成19年(2007年)1月19日

Cheki したいのはコレ!!

 12歳の少年とその両親が、ローマ、フィレンツェ、ミラノ、トスカーナ地方など、日本人にもなじみの深い土地を巡りながら、さまざまな人々と出会い、いろいろな体験をします。12歳の少年の目を通して見るイタリアは、普段ガイドブックでは知ることのできない世界です。
 この本一冊で、イタリアを旅する楽しみをたっぷり味わえます。著者は日本オリベッティ社及びサンスター社で20年以上にわたり活動している広報マン。

『イタリア語で好き』牧野晋也 著
毎日小学生新聞 新刊コーナー

 パパが職を失った翌日から12歳の少年シンペイと両親の家族3人がイタリアの旅に出発します。世界遺産が点在するローマ、フィレンツェ、イスキア島、ミラノなど各地を巡って出会った人と体験が、シンペイの目を通してつづられています。ミラノでは少年サッカーチームの試合に出場、13歳の少女カティアとの恋の行方も気になります。高学年から。

『イタリア語で好き』牧野晋也 著
静岡新聞 総合 平成19年(2007年)1月7日

浜松出身の牧野さん イタリア舞台に小説

 サンスターの広報室長で、浜松市出身の牧野晋也さんがこのほど、イタリアを舞台にした小説「イタリア語で好きだと言って」を出版した。長年、仕事でイタリアにかかわってきた経験を持つ牧野さんは、「作品を通じてイタリアの風景や人々の暮らしなどを肌で感じてもらえれば」と話している。
 主人公の12歳の少年「シンペイ」と両親が、ローマやフィレンツェ、ミラノなどを回る物語。シンペイはそれぞれの土地でさまざまな人たちと出会い、イタリア人の考え方などを知る。牧野さんは「12歳の少年の視点で見るイタリアは、ガイドブックでは知ることのできない世界だと思う」と説明する。
 牧野さんは高校まで浜松で過ごし、東京の大学を卒業した後、フリーライターなどを経て、1980年から6年間、イタリアで翻訳などの仕事に就いた。86年から2005年までは日本オリベッティ広報部に勤務。日本とイタリアの本社を何度も行き来した。
 「イタリアという国にかかわって得た経験を、以前からまとめたいと考えていた」のが、出版のきっかけになった。物語には実際に自身が見た町の様子や、現地での体験なども反映させている。
 イタリアの良さを、「気持ちが軽く高揚し、生きる喜びを感じさせてくれるところ」と牧野さん。イタリアをテーマにした第2作を早くも執筆中で、「次作は読者の気持ちも意識しながら書いていきたい」と意気込んでいる。

『イタリア語で好き』牧野晋也 著
PHPカラット BOOKS カラット図書館 平成19年

 パパが失業した翌日、シンペイはパパとママと3人でイタリアへ旅に出た。その旅の中で、シンペイはひとつ年上の少女カティアに胸をときめかせる。
 少しナイーブなカティアとの交流、そして家族をとりまくイタリアの人々と接する中で、シンペイは大人への階段を少し上り始める。本書は少年の成長物語であると同時に、イタリアの魅力をたっぷりと伝えている。イタリア好きにもたまらない1冊だ。

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