『風船爆弾を作った日々』   


信濃毎日新聞 読書欄より
       平成19年(2007年)3月25日

 太平洋戦争末期、米国が原爆製造を目指した時期に、日本が国家プロジェクトとして全国の女学生を動員し、開発した“秘密兵器”があったのだという。巨大な気球に爆弾をつるし、偏西風に乗せて米国へ飛ばす兵器で、何と気球の外皮は和紙をこんにゃくのりで張り合わせたものだった。
 本書は風船爆弾づくりに動員された当時の生徒らが、作業に従事した思い出ををつづった文章を集めた。爆弾は361個が米国で目撃されたが、結局は山火事などを起こすにとどまったのだという。通常の常識では考えられない戦時体制の奇妙さを深く実感させる。