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【イタリアが生み出した名作】 イタリアのおすすめ映画

日本の映画も素晴らしいのですが、海外にも名作と言える作品が非常に多いです。
イタリアでも歴史に残る映画は多く存在し、今も昔も世界中で大きな感動を与えています。

今回はそんなイタリア映画の魅力的な作品を紹介しますので、興味を持たれた方はぜひ一度鑑賞してみて下さい。

ベニスに死す


1971年に公開されたイタリア・フランス合作作品。
これはトーマス・マン作の同名小説を映画化したものです。

静養のためにヴェネツィアを訪れた老作曲家が主人公。
彼が理想の美を持ち合わせた少年に心奪われ、ヴェネツィアに
留まり続け、街に蔓延した疫病によって生涯を終えるまでを
描くもの。

20世紀が生んだ芸術映画作品で、名監督ルキノ・ヴィスコンティの代表作です。
第24回カンヌ国際映画祭で25周年記念賞を受賞しています。

自転車泥棒


1948年にヴィットリオデシーカによって作られたモノクロ映画作品。
第22回アカデミー賞名誉賞や第15回ニューヨーク映画批評家協会賞外国語映画賞を受賞しています。

失業を乗り越え、映画ポスター張りの職を得たアントニオ。
しかし、商売道具である自転車を盗まれてしまい、物語の歯車は動き始めます。

6歳の息子との切ない絆と、如何ともしがたい怒りや悲しみ、不安、やるせなさを巧妙に描いている作品です。

ライフ・イズ・ビューティフル


1997年に公開されたロベルト・ベニーニ監督作品。
第二次世界大戦下のホロコーストをユダヤ系イタリア人親子の視点から描いたもの。

北イタリアの田舎町にて3人で平穏に暮らしていた親子が主人公。
敗戦によってユダヤ人に対する迫害が始まり、3人も強制収容所に
連行されてしまいます。

不安がる息子ジョズエに父であるグイドは嘘をつく。

「これはゲームなんだ。いい子にしていれば点数がもらえて戦車に乗ってお家に帰れるんだ」と。
絶望的な生活も、グイドの言葉で希望溢れる生活に変わり、ジョズエは未来を信じて生き延びることができるのですが……。

悲しくも感動的な内容で、多くの方の心を打ち、カンヌ国際映画祭やアカデミー賞などでいくつもの賞を総なめにしている
名作
です。

甘い生活

1960年に公開された映画作品で、監督はカンヌ国際映画祭パルム・ドール、アカデミー賞衣装デザイン賞などを受賞した
フェデリコ・フェリーニ

新聞記者・マルチェロが上流階級や芸能人を相手に送る快楽のみの退廃的な生活の中で希望を失っていくストーリー。

フェリーニはこの作品で1950年代後半の虚無的な上流階級の生態や、その場限りのアバンチュール、モラルや生きていく
上の指針を失った現代人
を描いています。

フェリーニの代表作の1つに、1956年にはアカデミー外国語映画賞を受賞した「道」があるのですが、こちらも名作です。

映画大国イタリアには偉大な映画作品が非常に多く存在します。
心を奪われ、イタリア映画ばかりを追い求めてしまう方も少なくありません。
そんな方にオススメしたい書籍があります。
『イタリア映画史入門1905―2003』
ジャン・ピエロ・ブルネッタ氏著
川本英明氏 訳
www.choeisha.com/movie.html

ヴィスコンティやフェリーニなどの巨匠から、最近の名作まで、イタリアの映画史をこの1冊で
網羅しています。

難解で奥が深く、一度だけでは理解できないことも多いイタリア映画をさらに楽しむことができるのではないでしょうか。