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句読点の打ち方で、文章を「読みやすく」する!

意識して「てにをは」を使い分けていますか?
どんなに立派な内容が書いてある原稿であっても、句読点を打たずに長々と続いていては、「読みたい!」という気持ちが薄れてしまいます。

句読点のなかでも、特に読点に関しては、何となく打っている方が少なくありません。
読点は、音読した際に息をつくタイミングで入れる、といった意見があります。

しかし、原稿に書かれている文章である以上「理解しやすさを助けるもの」といった側面を無視することはできません。

文章が読者にとって、より分かりやすいものとなるためにも、どのようなポイントで読点を打つべきかご紹介しましょう!

「主語」や「主題」の後に打つ!


短い文章なら主語の位置は分かりやすいですが、文章の並びの関係上、時に主語が長くなってしまうこともあるでしょう。
そういった場合は、意識的に主語の後に読点を打つことで、「主語はここまでです」と、読者に伝えることができます。

例:山へシバを刈りに行ったおじいさんは、家に戻ることを決めた。

そのため、短い文章では無理に読点を入れる必要はありません。
しかし、以下のように助詞が続かない主語の場合は、短い文章であっても読点を入れた方が読みやすいです。

例:私、知らないし。

「接続詞」や「接続助詞」の後ろに打つ!


「そして・また・しかし・ちなみに・さて」といった接続詞の後ろや、「ば・ので・て・が・ても・し」といった接続助詞の後ろに打つことで、文章が読みやすくなります。
また、それぞれの接続詞や接続助詞の意味が強められ、より言いたいことが伝わりやすくなります。

例:そして、キミが現れた。
例:キミが現れたので、逃げた。

感動詞などの「独立語」の後に打つ!

意識して「てにをは」を使い分けていますか?

・「おや・まあ・さあ」といった、感動
・「ねえ・もしもし」といった、呼びかけ
・「はい・いいえ」といった、応答
・「こんにちは・こんばんは」といった、挨拶
このような感動詞は、後の文章との結びつきが弱いことから、独立語とも呼ばれます。
独立語は基本として文頭に置かれ、独立語の後に読点を打ちます。

例:ねぇ、ちょっと買い物に付き合ってよ。

「同じ役割をする言葉」が複数ある場合

■1つの主語に対して、述語が複数あるとき
例:ライオンが立ちあがり、吠えた。

■形容詞が並ぶ時
例:明るく、涼しい教室

■主語+述語が続く場合
例:キミは山へ行き、ボクは川へ行った。

同じ意味の言葉がある時
例:生まれは1985年、昭和60年です。

文章の読み誤りを防ぐため


読点を打たないと、文章の意味が2通りにとれてしまう場合があります。
より書き手の意志を読み手に伝えるためにも、正しい位置で読点を打つことが大切です。

例:猛スピードで、逃げるキミを追いかけた。
例:猛スピード逃げるキミを、追いかけた。

読点を打つ位置が違うだけで、「猛スピードを出している人物」が「キミ」なのか、「キミを追いかけている人物」かに分かれます。

これらの読点の使い方は規則や法則ではないため、絶対的な決まりではありません。
しかし、読点の打ち方を意識することで、書き手の想いがより伝わりやすくなりますよ。

本の自費出版にあたって、ベテラン編集者による句読点などの校正チェックをご希望の方は、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

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www.choeisha.com/pub/