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東京新聞 夕刊「大波小波」 平成16年(2004年)3月2日

 少し前に、仕切り直しの文芸雑誌が、鳥影社という出版社から二誌も出た。文芸誌への風向きがことに悪い時に、珍しいことだ。一つは「季刊文科」(第25号)である。(中略)編集委員は秋山駿、大河内昭爾、吉村昭ら決して若くはない六人だが、いささかもくたびれた風がない。 (中略)もう一誌が、歌人の福島泰樹らが中心の歌誌「季刊月光(第1号)である。(中略)作家や俳人や文芸評論家など外部の書き手を取り込み、閉じられた歌誌の限界を破ろうとする。前衛短歌の最終ランナー・福島は健在だ。(中略) 黒字を見込みにくい雑誌に関わる鳥影社も大変だろう。だが、もうけ専一よりも地道な文学情神を支えようとする文芸出版は、逆風紀にこそ意外な底力を発揮するものだ。

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