『坊っちゃん』の夢
名作『坊っちゃん』に秘められた漱石の暗号と夢の数々

五十嵐正朋

• 『坊っちゃん』に魅せられた著者が案内するモデル探しの旅と、暗号をめぐる考察。思いがけない人との出会いに導かれ、新潟や会津にも残る漱石の夢を追う。

目次

• 　はじめに
  
  第一章　漱石の青春とマドンナの秘密
  　◎マドンナのモデル
  　◎美しい兄嫁・登世さん
  　◎髪を銀杏返しに結った可愛い女の子
  　◎美人番付表では大関格の遠田ステさん
  　◎三人の美しいお嬢様たち
  　◎誰も知らなかったもう一人のマドンナ
  
  第二章　謎の暗号文
  　◎カラクリ時計のお向かいのお家
  　◎女医さんの手を握った漱石
  　◎水晶の珠を香水で暖ためて、掌へ握ってみたような心持ち
  　◎謎の暗号文
  　◎こぼれ話
  
  第三章　わんわん鳴けば犬も同然なやつ
  　◎『草枕』と天才ピアニスト〈グレン・グールド〉
  　◎赤シャツ人間は「成果主義」が大好き
  　◎赤シャツと東京帝国大学
  　◎容貌と外見だけの赤シャツモデル先生
  　◎漱石の「博士号辞退騒動」
  　◎アカデミック・ハラスメント
  　◎漱石の『入社の辞』に隠されていた暗号
  　◎赤シャツの正体
  
  第四章　箱根の石仏群と『坊っちゃん』
  　◎多田満仲の墓
  　◎多田満仲は漱石の誇り
  　◎「関西日光」とも称される大社、多田神社
  　◎その昔、箱根は地獄であった
  　◎多田満仲の子孫・石川 絢
  　◎閑話・漱石枕流
  
  第五章　幻の「五重の塔」と、実在する「ターナー島」
  　◎高柏寺の五重の塔
  　◎ターナー島
  　◎新説・『坊っちゃん』とそのモデル達
  
  第六章　インターミッション 〔Intermission〕〔贋作〕
  　◎脱線授業風景　　　　　〔ゼフィルスの巻〕
  　◎ゴルフ騒動記・その１　〔歓迎ゴルフの巻〕
  　◎ゴルフ騒動記・その２　〔美丈丸と幸壽丸の巻〕
  　◎ゴルフ騒動記・その３　〔神田日勝とマドンナ・リリーの巻〕
  　◎ゴルフ騒動記・その４　〔ジョルジュ・サンドの巻〕
  　◎ゴルフ騒動記・その５　〔偉大なる画家・神田日勝の巻〕
  
  第七章　新潟県は坊っちゃんの故郷
  　◎『坊っちゃん』の世界にはモデルがいっぱい！
  　◎坊っちゃんのモデル論争と理想人間説
  　◎「坊っちゃん」には、促音便の〈っ〉が付いている
  　◎〈吾輩〉という名前
  　◎モデル論争の楽しさと虚しさ
  　◎〈坊っちゃん〉のモデルは新潟県の人だった
  　◎『坊っちゃん』一気呵成論
  
  第八章　越後の笹飴と漱石の友情物語
  　◎清と越後の笹飴
  　◎越後の笹飴を訪ねて
  　◎修善寺の漱石
  
  第九章　会津に寄せる漱石の心
  　◎勝てば官軍、負ければ賊軍
  　◎会津の故郷にある不思議な心
  　◎戊辰戦争
  　◎二季咲桜と夏みかん
  　◎藩祖・保科正之の家訓
  　◎会津藩の教育
  　◎会津藩校日新館
  　◎飯盛山の白虎隊
  
  第十章　延岡の〈漱石嫌い〉と、小樽の〈啄木嫌い〉
  　◎可愛いマドンナ
  　◎延岡の〈漱石嫌い〉
  　◎小樽の〈啄木嫌い〉
  
  第十一章　漱石と子規　 　◎『坊っちゃん』の舞台が松山である根拠
  　◎松山に持ち込んだ東京帝国大学
  　◎松山の漱石大好き
  
  
  　あとがき
  　主な参考文献